
株式会社MOXYの代表取締役に就任するにあたり、一言ご挨拶をさせていただきます。㈱MOXYは、京都工芸繊維大学で培った先進のMelt Electrowritingの技術を活用し、再生医療と医療機器製造の分野に革新をもたらすことを使命として、2025年に設立されました。設立したのはそれぞれ異なった分野の第一線で活躍する4名の技術者・研究者です。「MOXY」という社名は、この4人の名前の頭文字を組み合わせたものであると同時に、英語のスラングで「活力」や「勇気」を意味しています。
近年の医療技術の進歩には目を見張るものがあります。中でも、再生医療といわれる分野は、機能障害や機能不全に陥った生体組織や臓器を、細胞や人工材料を使って再生させようとする試みです。再生医療には従来の医学分野だけでなく、材料およびその加工という工学分野が連携することにより、長足の進歩を遂げております。私たちもその一端を担うべく、日々の研究と技術開発に取り組んでいます。
大学での研究では、「オリジナリティー」「世界初」「世界最高」といった成果が重視されます。こうした価値観は大学発のスタートアップにも色濃く反映されがちです。その結果、研究者の視点が前面に出すぎて、提供しようとする価値が市場のニーズと乖離してしまうこともあるのではないでしょうか。私たちはこの点を肝に銘じております。とはいえ、㈱MOXYのお客様は大学・企業・医療分野の方々であり、そのニーズは一般家庭の方々とは異なるものです。お客様は、自らの製品やサービスの質をさらに高めようと考えておられるはずです。私たちは、お客様とのコミュニケーションを密にし、今求められている製品やサービスを提供することに加え、「私たちにはこんなこともできるんです」という提案を通じて、お客様ご自身の製品・サービスの付加価値向上に貢献したいと考えております。
私たちは、生体組織用の足場材や医療機器の製造において、これまでの課題であった精度や機能性の限界を打破し、患者様の生活の質向上と医療の未来を支えるために、日々研究・開発に励んでいます。㈱MOXYが目指すのは、新しい技術の提供を通じて、人々の幸せに微力ながらも貢献することです。私自身、大学や企業での研究・開発に長年携わってまいりました。その経験を活かし、大学での技術成果を社会に提供することにチャレンジする所存です。
株式会社MOXY
代表取締役
小原 仁実